
火災保険がどう変わる?知らないと失敗するかも

この記事では10月から大きく値上げになる火災保険について解説していきます。
損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は2021年6月16日、個人向け火災保険料の目安となる「参考純率」を全国平均で10.9%上げると発表しました。
相次ぐ自然災害で保険金支払いが急増していることを反映した形で、値上げは直近4年間で3度目となり、値上げ幅は過去最大となります。
あわせて、火災保険の参考純率を適用できる期間を現行の最長10年から5年に短縮することも発表しました。

そもそも、なぜ火災保険の値上げをするの?
なぜ、火災保険の値上げが行われるのでしょうか。
火災保険値上げの大きな要因は「損害保険会社の収支の悪化により、火災保険自体が成り立たなくなる可能性がある」という現状です。
台風、豪雨の多発により火災保険の保険金支払いが急増・保険会社の収支悪化
近年の大型台風およびゲリラ豪雨等の自然災害の多発により、損害保険会社が取り扱う火災保険の収支は急激に悪化傾向にあります。
下記の表は、1959年以降、過去約60年の地震を除く主な自然災害を支払保険金順にしたものです。
赤字で示している通り、支払保険金額の上位10件に入る災害が、直近10年に7つも発生していることがわかります。
以上のことから、風災および水災による支払保険金は業界全体で急激に増加しており、この傾向は当面継続するものと考えられます。
こういった状況を受け、火災保険の収支悪化により火災保険自体が成り立たなくなることを防ぎ、広く安定的に補償を提供することを目的として損害保険会社各社は近年、短期のスパンで改定(全体傾向としては値上げ)をしており、さらに今回の2022年10月に値上げに至っています。

10年契約廃止(最長契約が5年に)+長期割引率の引き下げ
値上げと同様の背景から、最長契約期間や長期割引率についても改定されます。
火災保険には長期契約割引があり、契約期間が長いほどその割引率は大きくなりますので保険料は割安です。
現在(2022年9月30日始期まで)は最長10年で新規契約が可能です。
改定後(2022年10月1日始期以降)は最長5年になります。
また、一部の割引率の引き下げも実施されます。
地域やプランによっては、値上げよりもこちらの方が家計に対する影響が大きい場合もあります。
契約期間の短縮と長期割引率の引き下げで保険料負担はどうなるのか、ある火災保険の例を見てみましょう。
火災保険料値上げの前にできること
月払いや年払いをしている方も、これから一括払いを考えている方も、火災保険料が値上がりした際に起こる家計への影響が心配になりますよね。
最後に、家計と住宅を守るためにできる対応策を3つご紹介します。
契約内容と契約年数を確認する
補償内容の変更はプロに相談する
住宅にかかる固定費を見直す
契約内容と契約年数を確認する
改定前に10年契約をするか、改定後に5年契約をするか、迷いどころかもしれません。
そこで2020年度の火災保険の新規契約数のデータを見てみると、すでに5年契約が10年契約件数を5倍以上上回っていることがわかります。
最近はインターネット上で契約ができ、かつ割安なダイレクト型の火災保険も登場しています。5年単位の契約にメリットを感じている方が増えているのかもしれません。
また古い契約の場合、補償内容や保険金額が現状に合っていない場合もありますから、最新の保険内容と比べて検討してみましょう。
補償内容の変更はプロに相談しよう
「保険料が高くなりそうだから……」と自己判断で補償を変更してしまうのは危険です。
いつどこで、どのくらいの規模で起こるのかがまったく予想ができないのが自然災害であり、そのもしもに備えるのが保険です。
お住まいの地域、建物の構造によってはますます保険の必要性が高まっているとも考えられますから、むやみに補償を外さず、保険会社の担当者や専門家に相談してみましょう。

地震保険料はどのように改定するの?
地震保険料の改定は、近年でも、2017年、2019年、2021年と3回ほど改定されてきましたが、いずれも値上げされてきました。これは、東日本大震災や、南海トラフ地震などの被害予測による影響が大きかったのですが、今回の改定では、全国平均で0.7%下がる見通しになっています。
しかし、こちらはあくまでも「全国平均」でみたときの改定率であり、火災保険と同様、住んでいるエリアや建物の構造によって改定率は異なります。中には3割ほど値上げする地域もありますので、注意が必要です。
最も改定率が最も高かったのが、「茨城県・埼玉県・徳島県・高知県」「イ構造」の5年契約の場合で、+31.3%も値上がりすることになります。
逆に、最も引き下げ幅が大きかったのは、「大分県」「ロ構造」の1年契約の場合で、-47.2%も、保険料が引き下げになります。
このように、各都道府県でかなり保険料に差が出ることがわかります。ご自身のお住まいのエリア、建物構造を確認し、改定後の保険料がいくらくらいになるか、事前に確認しておくことが大切です。
同じタイミングで火災保険の料率改定があるので、「火災保険はどのように変わるのか」ということを踏まえて、火災保険・地震保険合わせた全体の保険料を算出し、現在の加入プランと比較・検討するようにしましょう。

Stylecasaが思うこと
住宅を計画する上で火災保険は切っても切れないものです。
新生活を豊かに暮らすためにも事前の準備はかかせません。
ライフスタイルからライフプランを踏まえてどのようなご計画をするかをファイナンシャルプランナーを含めてご提案をさせて頂いています。
現在入っている保険の見直しなどで対応していきましょう。
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