
建ぺい率・容積率について

こんにちは!stylecasaの山本です。
家を建てる際によく耳にする、建物の『建ぺい率』『容積率』。
この2つの専門用語は不動産業界では頻繁に出てくる言葉ですが、一般の方には少し
分かりづらい言葉かもしれません。家づくりは原則として土地を購入して建物を建築していくのが基本的な流れとなりますが、土地の広さに対して好き勝手に建物の規模を決めて良いわけではありません。そこで、今回は家を建てる際に必須となる『建ぺい率』『容積率』についてご説明したいと思います。是非ご覧ください。

建ぺい率について
そもそも建ぺい率とは何か?簡単に言えば、建ぺい率は『この土地にはこの大きさの建物までなら建てて良いですよ』という指標です。例えば、誰かが好きな土地を購入して好きなように建物を建ててしまったらどうなるでしょうか?恐らく、自分本位な家ばかりとなり都市計画等を無視した家が建ってしまうことになります。日本は諸外国に比べると家のデザインなどは自由ですが、その地域ごとに用途が定められているため、必ずしも好き勝手に建てて良いというわけではありません。建ぺい率はそれらの景観の他、防災や日当たり、風通しなどを考慮して決められています。つまり、誰もが自分本位な家を建てないよう規制するための基準、それが建ぺい率なのです。
■概要について
建ぺい率とは『敷地面積に対する建築面積の割合のこと』です。敷地面積というのは建物を建てる土地の面積のことで、建築面積というのは建物を真上から見たときの面積のことをそれぞれ表しています。この建ぺい率にはそれぞれの地域ごとに制限があり、それぞれパーセンテージが決められています。
なぜそのような制限があるのかというと、地域ごとに用途地域が決められているためです。
用途地域というのは、それぞれの地域ごとに住宅地域や商業地域といった具合に使い道が決定されている地域のことを指しています。これらは市町村ごとに細かく決められているため、適当な割合で家を建てられないように定められているのが特徴です。
例えば、建ぺい率が50%の地域であれば、土地100㎡に対して建物50㎡までの建物しか建てられないということになります。
■計算方法について
建ぺい率の計算方法は『建築面積÷敷地面積×100』となります。
例えば、140㎡の敷地面積に70㎡の建築面積の家を建てた場合、その建ぺい率は50%となります。しかし、せっかく土地を購入したのなら、建物もギリギリまで使いたいと思う方もいるかもしれません。ですが、防災や日当たり風通しなどの観点からあまり望ましくないとされています。家同士があまりにも近いと災害の際に逃げ道が失われることもあるほか、単純に日当たりや風通しが悪くて生活環境に影響が出てしまいます。
その地域ごとに『家同士の間隔が近いな』と感じる地域がある一方『家同士の間隔が広いな』と感じる地域があるのはこれらの建ぺい率が関係しているのです。
なお、建ぺい率は建築基準法によって制限されており、それぞれの用途地域ごとの使い道に合わせたものを建てるように誘導されています。
これにより、自由に商業地域に一般住宅を建てられることを避け、住宅地域にも自由に巨大商業施設が建てられないようになっております。

容積率について
次に容積率とは何か?容積率とは『この土地には何階建ての建物までなら建てられますよ』という指標のことです。例えば2階建ての家が広がる限られた土地に、いきなり10階建ての建物が建てられてしまったら困りますよね?その地域の景観が一気に壊れてしまうだけではなく、日当たりや風通しが悪くなってしまいます。また、近隣住民の生活環境が著しく害されてしまうこともあります。容積率にはそれら景観だけではなく、近隣住民が生活しやすいかどうかなどを配慮して決められているのです。つまり、道路などのインフラとのバランスを保ち人々の快適な生活を保護するための指標、それが標積率といえます。
■概要について
容積率とは分かりやすく言うと『敷地面積に対する3次元空間の割合のこと』です。
3次元空間というのは、真上から見るのではなく立体的に見たときのそれぞれの面積のことを表しています。例えば、2階建ての家を建てるとなると、1階の床面積と2回の床面積がそれぞれ違ってきますよね。容積率はそれを3次元空間として認識して、その割合を計算したものとなるのです。これらの容積率も制限が設けられており、用途地域ごとに細かく設定されています。それに違反する家は原則として建てられないため、市町村ごとの都市計画に合わせた家を建てていくことが必要となります。
■計算方法について
容積率の計算方法は『延べ床面積÷敷地面積×100』となります。
延べ床面積というのは、2階建ての建物などで1階の床面積と2階の床面積を合算した数値を意味します。つまり、1階床面積が50㎡で2階床面積が25㎡だった場合、延べ床面積は75㎡として計算します。この条件で計算すると敷地面積が100㎡で延べ床面積が75㎡であれば、容積率は75%ということになります。ここでは2階建ての家を例に出していますが、厳密には3階建て以上の建物でも同様の考え方になります。延べ床面積はそれぞれの階層の床面積を合計したものであり、容積率は土地に対して何階の家を建てられるのかということを定めるための基準となるわけです。
なお、容積率にも制限が設けられています。なぜ制限があるのかというと、人口制限のためという理由が大きいです。特に都市計画などにおいて家に対するインフラ整備することは必須であり、1つの地域に過剰に人口が密集するとインフラ整備も間に合わない可能性が出てきます。それでは負担が大きくなってしまうどころか、公平にインフラを提供できないという事態にもなりかねません。つまり、容積率はその地域で快適に暮らすために制限を設けてあり、人口をコントロールするための基準とされているものなのです。
- 注意すべき点とは?
家を建てる際には、『建ぺい率』『容積率』以外に注意しておきたい点もいくつかあります。
まず、家を建てるときに絶対に注意しておきたいのが、耐久性や耐震性についてです。
日本は言わずと知れた災害大国ということもあり、地震や台風などの災害が毎年のように発生します。それらの巨大災害にも耐えられる家でなければなりません。建ぺい率や容積率ばかり気にしているとこれら耐久性や耐震性のことを忘れてしまいがちなので注意しましょう。より具体的な対策を行えるよう、国土交通省が運営しているハザードマップを確認しながら決めていくと安心です。また、住宅に使う仕上げ材などの素材にも注意が必要です。
仕上げ材というのはその建物の見た目を左右する大きな要素であり、壁や床や天井など生活する中で必ず目に入るポイントとなってきます。建ぺい率や容積率に合わせながらもいかに理想の家を作れるかを左右するポイントとなるため、これら仕上げに使う素材にも目を向けておきましょう。また、そのほかに注意しておくべきは間取りです。限られた土地の中に建物を建てなくてはならないため、建ぺい率や容積率を守りながらどういう間取りにしていくかが重要です。それによって生活の導線はもちろん、住み心地まで大きく左右されます。そのため、収納や配線なども含め『自分が生活している様子』を具体的に思い浮かべて決めていきましょう。間取りによってはデッドスペースを活用するなど、限られた条件の中でも理想の家を作ることは可能です。住宅会社と相談しながら注意して進めていくと良いです。

さいごに
今回は建ぺい率と容積率についてお伝えさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?皆様いい家を建てていきたい気持ちは一緒かと思います。その中で建築のルールが無いと何でも良しになってしまい、周辺環境等が悪くなってしまいます。そうならない為にも今回の『建ぺい率』『容積率』など建築のルールに沿って建てていく事が大切になります。
人生に一度の大きな買い物と言われる家づくりをより良くするためにも、今回の事などを知っていただければ幸いです。建ぺい率と容積率以外にも注意しておきたい点はあるので住宅会社などと相談しながら良い家づくりをしていってください。
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